開校10周年記念式典・記念講演
☆浜田市を代表しての山田教育長さんの挨拶 ☆寄贈画「風雲富士」の除幕の様子

☆平坂館長さんの講演の様子と、それを聞く生徒の様子
記念講演 『ふるさとの先輩から後輩へ』 石正美術館館長 平坂常弘さん
私は40年前の三隅中卒業生で、現在は石正美術館館長を務めさせていただいています。さきほどは、除幕をしていただきました。三隅中学校の体育館の中に納まった「風雲富士」を見るのは今日が初めてです。絵も居場所があります。居場所が悪ければ人も住居を変わり新しい場を求めます。絵画も同じで、世の中に飛び出し、人から人へと移っていく運命にあります。この「風雲富士」が、三隅中学校の体育館の中にいつまでも居て欲しいなと願ってやみません。こうした絵の思いについて本日は話をしたいと思います。また、小中学校時代のふるさとでの懐かしい思い出や、ふるさとの先輩との出会いや、上京して以来自分自身の考え方が変わったことも含めて、今の自分の気持ちを話したいと思います。
<ふるさとへの想い>
私の実家は、三隅川を少し上流に上がった河内にあります。幼少期、家にいたヤギの世話が私の仕事でした。そのヤギとのふれあいから、新しい命の誕生・老いや死などを何度も経験しました。また、川で魚を取ったり、手作りの竹スキーで遊んだり、水鉄砲や杉玉鉄砲を作って友達と遊んだり、一年を通して自然の中で自然を相手に遊んでいました。中学生になると片道9キロの道のりを自転車で通いました。舗装道路ばかりではなかったため、天気が続くとひどい砂ぼこりでした。中学校ではバスケット部、高校ではバレー部と運動ばかりをしていましたが、大学受験が近づいた時、これといった目標がなく、随分と進路に悩みました。
美術を志し進学した大学生時代、ふるさとのありがたさをつくづく感じさせられました。ひとつは、小さいころ自然の中で様々なものと触れ合って育ったことやそこで培った経験であり、もうひとつは、橋本明治・石本正という日本を代表する日本画家がこのふるさとから出ていることです。友だちとふるさとの話をするときが自分を支えていました。そして、大学を卒業する際、東京に残って絵描きになるよう恩師から勧められましたが、躊躇なくふるさとに戻ってきました。
<風雲富士への想い>
6年前の病気をきっかけに、親から命を授かったことやいろいろな人に助けられてきたことへの感謝と、自分が生きてきた証を何か残したいと思い、自分しかかけない絵をもう一度真剣に描こうと思いました。この風雲富士は、病気に対する不安からの脱出や自分にないものへの欲求などが入り混じった、気持ちと気持ちのつながりで描きました。どうしても手放したくない絵であり、二度と描けない絵でもあります。三隅小学校の講堂にあった寺戸先生の絵を見て育ち、美術への道へ進んだ私にとって、自分もふるさとの大先輩と同じ想いを後輩へ残すことが、大学に入った時からの願いでした。この絵が、皆さんの心の支えや故郷を思い出すきっかけになれば幸いです。
今年90歳になられる石本先生と一日数回電話で話をしています。今日もここへ来る前に話しをしましたが、ここに来て話をすることを喜んでいただきました。その石本先生は、このふるさと三隅に本物の心を残すから、私のふるさとに対する想いを後世に伝えてほしいと言っておられます。私に対して、中途半端な絵描きになるより、この素晴らしいふるさとを守れと言われているように思い、地に足をつけて頑張ろうと最近つくづく思います。
<後輩への想い>
この世に自分を生み育ててくれた親や家族、いろいろなことを教えてくれる先生や友達に感謝し、そして何より自分を大切にして、夢に向かって歩き続けてください。いろいろな人や物事の出会いによって、自分の短所や気づかなかった才能がある日突然開花し、大きな力になるかもしれません。そのためにも、自分は何をしたいのか、何が好きなのか、しっかりと自分探しをして、人を思いやる気持ちと感謝という心を忘れずに、とにかく自分を信じ、明るく胸を張って強く生きてください。
人は一人では生きていけません。ふるさとの先輩とこの風土は私たちに大きな宝物を残して、多くの心ある人を育ててくれました。自分のルーツである家族やふるさとに感謝することを忘れず、大きな夢をもち、色々な出会いを求めて、この地から大きく羽ばたいて下さい、いつの日か、みなさんの立派な雄姿が見れる日がくる事を楽しみにしています。私たちもみなさんに恥じることない先輩として生きていきたいと思っています。
最後に、ふるさとの後輩である皆さんの夢多き将来に対して、風雲富士に託した気持ちを朗読して話を終わらせていただきます。
心ある風 心宿る風 いま 生きている ふるさとの大地 踏みしめて 踏みしめて
夢を両手に 未知なる天空に つよく たかく 飛び立て 若き友たち
開校10周年記念講演を行います。
日時は、11月7日(日)の文化祭で行います。
時間は午後からです。
講師は、石正美術館館長 平坂常弘さんです。
平坂さんには、10周年を記念して絵を寄贈していただく
ことになり、その絵にまつわる講演をしていただくことにな
っています。
是非、多くの皆さん講演を聞きに来て下さい。
開校10周年記念式典
14:00~14:05 浜田市代表者挨拶
14:05~14:25 寄贈絵「風雲富士」除幕式
感謝状贈呈
14:25~14:55 記念講演 「ふる里の先輩から後輩へ」
14:55~15:00 校長挨拶
